ROY草子 一般書
日々思ったことを書き記したり,本の紹介などをしたりしています。
スポンサーサイト
-------- -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
別窓 | スポンサー広告
『しゃべれども しゃべれども』 佐藤多佳子
2007-01-03 Wed 14:55
今昔亭三つ葉は,なぜか素人相手に落語教室を開く羽目に…。しかも,これが個性が強く困った人たちばかり!どうする,三つ葉さん!

三つ葉さんは気は短いけれど頑固。若いのにどこか古風でもあります。さらに面倒見がよい(おせっかいともいう?)のです。あまりにもいい人なのですが,落語教室の面々があまりに個性的すぎて,三つ葉さんの「いい人ぶり」も空回りぎみ。
登場人物はそれぞれ自分の信念を持っている感じがします。でも,それは他人とコミュニケーションをとるということにおいてじゃまになってしまいます。三つ葉さんも然り。
でも,どこか愛おしくなってくる,愛すべき人々なのです。
別窓 | 一般書 | コメント:0
『未来(あした)のおもいで』 梶尾真治
2007-01-03 Wed 14:23
白鳥山で浩一が出会ったのは,沙穂流という名の美しい女性だった。沙穂流が落とした手帳を届けようと彼女を捜す浩一。しかし,彼女は違う時代を生きていた…。

タイムトラベルもの。『インナーネットの香保里』でも出てきた白鳥山が舞台となっています。沙穂流は2033年を生きる女性。浩一は2006年に存在しています。沙穂流の手紙の文章がとても落ち着いた雰囲気で書かれており,浩一よりもずっと昔を生きた年配の女性という感じがしてしまいました…。年代設定を逆にした方がしっくりくるかもしれません。
途中でラストがどうなるのか読めてしまいましたが,持ってきた荷物までは予想していなかったので,そこは楽しめました。
歴史は変えられるのか。変えた結果,未来はどうなるのか…。
この話では,沙穂流の両親の死は変えることができませんでした。でも,もしかしたら変わった別の世界が存在しているかもしれないという可能性を示していました。平行世界について,久しぶりに考えてしまいました。
別窓 | 一般書 | コメント:0
佐藤多佳子『一瞬の風になれ』
2006-10-30 Mon 20:09
分類に困りますが…ヤングアダルトなのか,一般書なのか。
全3巻ですが,一気に読み進められます。
寝不足なんて気にならないほど集中して読めてしまう…。
『バッテリー』より,ずっと読後感がすっきりしています。

主人公新二の一人称で語られている物語。
とにかく「走りたい」という思いがあふれている。
陸上というと個人種目のイメージが強くありますが,新二をはじめ,陸上部のメンバーはみんな陸上部の仲間(OBや顧問も含めて)との繋がりを強く意識しています。
リレーは走る選手だけでなく,補欠に回った人や怪我で走れない選手も気持ちは一緒に走っている…。
また,他校のライバルとのやりとりもおもしろい。

忘れかけていた高校時代の懐かしい気持ちを思い出させてくれる,そんな物語です。
別窓 | 一般書 | コメント:3
『奈良まほろばソムリエ検定公式テキストブック』
2006-09-10 Sun 21:21
網干善教先生監修です。
遺作…になるのかな。
あとがきには,これからもっと充実させたいというような趣旨のことが書かれていました…。

歴史のみならず,植物なども範囲に入っているので,奈良全般のガイドブックとして読むのもよいと知人が申しておりましたが,その通りだと思います。
興味がない部分を読むと,心地よく眠りの世界に誘われ…(爆)!
別窓 | 一般書 | コメント:2
『福音の少年』 あさのあつこ
2006-07-20 Thu 19:27
昨日,「ちょっとだけ読もうかな」と思ってめくったら,つい最後まで読み切ってしまいました…。
でも,ラストで拍子抜け。というか,不完全燃焼というか…。
これは,『バッテリー』のラストでも感じました。
あさのあつこさんは,わりと物語の結末をはっきりさせないのかな。
登場人物達の物語はまだ続いているのだと言わんばかりの終わらせ方だと思いました。というより,読者に問いかけているのかな…。

「一番書きたかった物語」と銘打っているこの本ですが,あさのさんのお話をいろいろ読むと,確かにそうなのかもしれないと思います。
明帆と陽も『バッテリー』の少年達と共通するものがあると思うのです。さらに,『NO,6』のネズミや紫苑にも。
では,この少年達はいったい何なのか。そう問われると,言葉にするのは非常に難しいです,正直なところ。
何かに飢えていて,渇ききった自分を何とかしたいのに,どうしたらよいのかわからない。表面上は冷めて見えても,実は熱い自分を持て余している。この熱をどこへ持っていったらよいのか。孤高でありたいと思いながらも,ひとりではいられない。誇り高く,孤高であることと,人を求めることとは共存し得るものなのか。
この答えは,正直わかりません。
あさのさん自身,見えずにいるのではないかという気もするのです。
藻掻き,足掻き,悩み,それでも生きている少年達。ただ,ひたすらその姿を描こうとだけしているのではないのか…。
そんな気がしました。

タイトルの「福音」が何を意味するのか…。
これも難しい。
明帆と陽にとって,互いの存在が福音たり得るということなのかな。
でも,あのラストを考えると…明帆にとって陽が「福音の少年」になるのかな。それとも,あの状態になった明帆が「福音の少年」なのか?一応,明帆だけが事件の真相を知ることができたのだから。でも,彼が命を取り留めて初めて福音と呼べるのではないかとも思います。
別窓 | 一般書 | コメント:2
『ズッコケ中年三人組』 那須正幹
2006-01-09 Mon 16:38
ズッコケ三人組シリーズが完結して1年。
今度は,40歳になったズッコケ三人組に出会うことになりました。
卒業式から1年で40歳…。
小学6年が長すぎたから仕方がないのですが,やはり突然40歳になったハチベエ達に会うのは何となく違和感がありました。
しかも,3人ともどこかさえない中年…。
子どもの頃のパワフルさはどこへ行ったのと言いたくなります。
でも,やはりズッコケ3人組。後半からは懐かしの怪盗Xも登場し,みんな生き生きとしてきます。まるで,昔の3人組に戻ったように。
ラストはそれぞれ大人としてちょっとずつ幸せな気分になっています。
10年後に「熟年三人組」を刊行したいと作者はおっしゃっているようですが…ここでストップでもいいかな(笑)。50歳のハチベエやハカセ,モーちゃんは想像しにくい…。40歳でもけっこう大変だったのだから。
別窓 | 一般書 | コメント:0
長野まゆみの世界
2006-01-07 Sat 12:47
長野作品で初めて読んだのは『少年アリス』だ。
NHKのラジオドラマで聴いたのがきっかけ。
でも,ラジオと原作とでは雰囲気がまったく違う。
日本風の名前なのに,世界は西洋風。
一昔前の日本のようでもある。
そう感じるのは,これでもかと散りばめられた漢字の羅列のせい。
イメージするのは宮沢賢治の作品群だ。

初期の作品はどれも少年たちの物語。
それも,ごく限られた期間の「少年」である。
成熟しない,ともすれば少女と言っても通るような少年たち。
少年の姿をしていても,彼らは性別未詳でもある。

彼らの住む空間はいつでも閉じられている。
閉じておけば,少年はいつまでも成長せずそのままでいられるから。
逆に言えば,閉じておかなければ,彼らは少年ではいられなくなってしまうのだ。

この少年たちは現実世界には存在していない。
彼らは少女の中に内包されている少年たちだから。
少女が夢見る幻想の,そして理想の少年。
彼らは少女を傷つけたりしない,無害な存在だから内包できる。

少年たちは少女が創り出した箱庭でしか存在できない。
少女が少女でなくなるとき,この世界は崩壊する。
少年はもはやその役目を持たなくなるから。

と考えていて,似たようなことをかつて書いたなと思った。
荻原作品に出てくる,少女を内包している少年たちと似ているかも…。
少女と少年が逆転しているけれど。
別窓 | 一般書 | コメント:0
BACK | ROY草子 |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。