ROY草子 戦争児童文学
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戦争児童文学
2008-06-22 Sun 13:52
今朝の朝日新聞に長崎源之助さんと読者との交流が紹介されていた。
そこには,戦争児童文学は売れないということが書かれていた。

長崎さんの作品というと,教科書に載っていた『お母さんの紙びな』を真っ先に思い出す。
教員になり,最初に3年生を受け持ったときに子どもたちと読んだ作品だ。
戦争児童文学である。
二度目に3年生を受け持ったときには,教科書からこのお話はなくなっていた。
教科書自体が戦争教材をあまり扱わなくなっているのだ。

4年ほど前,教育出版の方と直接お会いする機会があったので,戦争教材が少なくなったことや,残しておいてほしい作品についてお話ししたことがある。
戦争教材については,現在,命の大切さを扱うものとして作品を選んでいるのだそうだ。
その結果,戦争とは関係のない作品が掲載されるようになった。
現在,6年の「川とノリオ」,4年の「ひとつの花」くらいしか戦争教材はない。
これで,本当に戦争を語り継いでいくことができるのだろうか。
わたしは,毎年夏休み前に戦争児童文学を通じて,子どもたちに戦争について考える機会を設けている。
那須正幹さん,うみのしほさん,大川悦生さんの作品は,必ず使っている。
自分が4年生の時に読んだ『碑』も取り上げる。
この頃は『おはなしのピースウォーク』を使って,今なお続く戦争や,日本が戦争にまた巻き込まれたらどうするのか子どもたちに考えてもらうこともしている。

わたし自身,子どもの頃にたくさんの戦争児童文学に触れてきた。赤木由子さん,今江祥智さん,灰谷健次郎さんの戦争に関する長編も,小学生の頃に読んでいた。
それは,教科書で戦争児童文学に触れ,自分でもっと他の本を読んでみたいと思ったからだ。
また,祖母から戦争中の話を聞くこともした。
そういう経験があるからこそ,今,子どもたちに戦争について考えさせる時間をとるようになっている。
学期末でどんなに忙しくても,これだけは欠かさない。

「戦争児童文学は売れない→作家が書かない→子どもたちが戦争について知る機会が減る」
これで本当によいのだろうか。
確かに,書いても売れないのは作家にとって生活がかかっているのだから非常に困る。
けれども,それでは伝えて行かなくてはならない大切なことが失われてしまう。
大人はもっと,子どもたちに何を伝えていくべきか,考えなくてはいけないのではないだろうか。

今回,長崎さんが出版した本には自宅住所を掲載しているそうだ。
読者の反応を知りたいからという理由である。
以前から,児童文学作家には子どもたちの生の声がなかなか届かないということを聞いている。
実際,自分も子どもの頃に作家へ手紙を書いたことはなかった。
そういうことができるという発想自体がなかった。
でも,よく考えてみると,かつての児童書には作者の住所が掲載されていた。
これは,ここに読んだ感想を送ってほしいということだったのだろうか。
そうと知っていたら,感想を送っていたのに!
大人になってから,作者に感想を送ることをするようになった。
そして,子どもたちの声もなるべく届けるよう,できる範囲で活動をしている。
今年は1年の担任なので,生の手紙をお届けするのは難しいが,反応を伝えられればと思っている。
別窓 | 児童書 | コメント:2
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この記事のコメント
長崎さんの「ゲンのいた谷」は子供の頃の愛読書でした。
単純に面白くて好きだったのですが、
疎開生活の辛さ、というのは分かったような気がします。
エンターテインメントの形でメッセージを込められるのが
上質な児童文学かも、と思ったりいたしますが・・・。

2008-06-25 Wed 21:48 | URL | 瑞閏 #lp29RAY6[ 内容変更]
汽笛
長崎さんの話題の新作『汽笛』を早速読みました。
戦争に対するメッセージが色濃く出ています。
子どものためというより,自分の思いを多くの人に伝えたいという感じを受けました。

今,児童書はエンタメがけっこう主流となっていますが,そのなかにどれだけのメッセージがこめられているかというと…少々疑問な本も多くなってきています。
2008-06-28 Sat 17:34 | URL | ROY #Uskr0pWs[ 内容変更]
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| ROY草子 |
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