ROY草子 『新シェーラひめのぼうけん 天と地の物語』 村山早紀
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『新シェーラひめのぼうけん 天と地の物語』 村山早紀
2008-02-11 Mon 22:01
『天と地の物語』は読んでいてあれこれ思うところがありました。
作者の伝えたいことが,これでもかというくらいいっぱい詰め込んであるです。

本当に戦いたいと思っている人はいない。
いにしえの魔法の国の人々も,自分たちにできないことを無責任に未来へと先送りにしたわけではない。自分たちのしたことをどれだけ後悔したか…。
そして,けものひめ。
自分が心の底から愛している国や人々のためを思ってやったことが,逆に恐れられてしまう…。
自分はなんのために戦っているのか。ただ,愛する故郷を守るためであり,本当は戦いたくなかったのに。
魔物となった異世界のけものたちも,本当は心優しい生き物。
本当に悪い人,悪いものは存在していないのです。
武器を持って戦う必要などなかった。
多くの命が奪われる必要などなかった。

この物語では,最終的に剣を持って戦ったのは大人達でした。子どもたちを守る,それが大人の仕事だから。子どもたちが武器を手にして戦いに参加する必要などなかったのです。
ハッサン王子は,自分が役に立つのかと思いますが,彼の音楽がけものひめの心を癒し,そしてサファイヤひめの優しい言葉がけものひめの心を救ったのですから。
武器を手にした大人達も,相手がもともと心優しい生き物だとわかっているから戦うのが辛いのです。
戦いたくないもの同士の戦いなのだから,すべてが辛い。

この物語のように,こういう戦いが地球上からなくなる,そんな世の中にしていかなくては…。そのためには,自分だけが犠牲者だと思ってはいけないのではないでしょうか。相手にも何か事情がある。本当に戦いたいと思っているのか。特に,戦場にいる兵士は…。命令されたから従っているだけではないのだろうか,あの魔物達のように。
やられたらやり返す,そんなことをしていたら永久に戦いは終わらない。過ちは認め,謝罪し,互いに歩み寄らなければ…。

このシリーズを読んでいる途中であれっと思ったのは,「この物語の主人公って誰?」ということでした。答えは,ちゃんとラストにありました。そう,みんながそれぞれ主人公だった。「自分の人生ではみなだれもが主人公」という,さだまさしの「主人公」を思い出しました。

そして,未来は自分たちでつくり出さなくてはならない。
母シェーラの「ふつうの人間だから人にもどれたの」は名言です。自分の力で未来を切り開かなくちゃというシェーラの言葉は,とても印象に残りました。
ほんの少ししかない母シェーラの出番ですが,これだけ圧倒的な存在感でこれだけ重みのあるセリフをずばっと言い切れるのは彼女しかいませんね。
あ,先ほどこのシリーズの主人公はみんなと書きましたが,撤回しないといけない!?(笑)
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