ROY草子 2007年02月11日
日々思ったことを書き記したり,本の紹介などをしたりしています。
『わらいっ子』 畑中弘子
2007-02-11 Sun 11:14
ひとり暮らしの正蔵じいさんのところに,とびきりの笑顔の「わらいっ子」がやってきた!わらいっ子を見ているうちに,正蔵じいさんは何だか嬉しくなってくるのです。

正蔵じいさんは奥さんを亡くしてひとりで住んでいます。近くに住む娘の咲さんが毎日様子を見にやってきてくれるのですが,具合が悪くて訪ねていけないと電話をしてきました。娘が親の様子を気にかけて面倒を見るのは当たり前だと思っている頑固者の正蔵じいさんは,咲さんが来ないのでイライラ。年をとり,仕事も辞めてひとり暮らしになると,その生活はとても寂しいものになってしまいます。そんな正蔵じいさんの様子をみていて,頭に思い浮かんだ人が一名…。
そんな時に現れたわらいっ子。この女の子と一緒に過ごすうちに,正蔵じいさんはとても生き生きとしてきます。わらいっ子は弟や友だちも連れて来るようになります。子どもたちのために,正蔵じいさんはすべり台を作ったり,飲み物を用意したりするのでした。
それにしても,このわらいっ子はいったいどこの子なのでしょう?
大人だとおそらく,途中で予想をするのではないかと思います。わたしは二通り考えついてしまい,どちらかなあと迷いました。思いっきりネタバレになりますが,子ども時代の咲さんか,咲さんのお腹にできた赤ちゃんのどちらかではないかと思ったのです。でも,わらいっ子の弟が出てきたり,友だちが出てきたりしたので,子ども時代の咲さんかな…と思ったのですが,ラストを読むと,そのどちらでもあるのかもしれないと思いました。
なくなる命もあるけれど,生まれてくる命もある。今ある命を大切にしていくことで,次の命へと繋がっていくのでしょうね。
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