ROY草子 2006年08月03日
日々思ったことを書き記したり,本の紹介などをしたりしています。
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13年越しの宿題
2006-08-03 Thu 21:59
昨日,一昨日と出身大学にて10年経験者研修の講座が開かれました。
わたしが選んだのは,「読書のアラカルト」です。
一覧表を見た時に,講師の欄には当時お世話になった先生の名があったので迷わず選択!
希望は無事に通りました。

1日目はストーリーテリングの紹介。これは,昨年度前任校で行ったものとまったく同じ!使っている本も同じだったのですが,わたしはきちんと講習を受けずに指導していたので,今回改めてポイントを聞くことができてラッキー♪

2日目は児童文学の講義。いよいよお世話になった先生の登場です。
13年ぶりの先生の講義でしたが,テンポ良く進んでいく授業は相変わらず健在という感じがしました。
当時,児童文学におけるタブーの崩壊について詳しく学んだのですが,今回はその続きとも言える内容で,13年分の空白が埋まったような気がしました。

また,受講者全員が1冊ずつ本を持ち寄り,紹介するということも行いました。児童書あり,一般書ありで非常におもしろい内容でした。
先生も1冊紹介しました。那須正幹『ねんどの神さま』です。これは「反語」の物語という紹介の仕方でした。戦後まもなく,オオサコケンイチが作ったねんどの神さまは,戦争はいやだ,武器はいやだ,という思いから作られたもの。けれど,何十年も経った時,この神さまは突然動き出しました。巨大化した怪物のようになり,ケンイチのもとへ向かったのです。ケンイチは,武器を作る会社の社長になっていました。ケンイチの元へ向かう間に,自衛隊はさまざまな兵器を使い,最後には小型核爆弾まで使用します。地域の人たちには何も知らせずに…。大人になったケンイチは神さまに向かって「武器を持っていた方が平和を保てるのだ。」と言い放ちます。結局,この神さまはケンイチのいうことに従い,元のねんど細工に戻り,ケンイチによって踏みつぶされ,この物語は終わるのです。
那須さんは『屋根裏の遠い旅』『The End of The World』や,絵で読む原爆の話など,戦争にまつわる話も多く書いています。これらは常に社会に対する警鐘となっていると思います。もっと多くの人に知られていいはずの物語が埋もれてしまっているように思えてなりません。

わたしが紹介したのは,みおちづる『少女海賊ユーリ』です。この講座には小・中・高・養護学校の教員が参加しているので,あまりみんなが持ってこないであろう中級というグレードであり,軽装版であるユーリを紹介してみようと思ったのです。
※軽装版であるからと言って,エンタメ(エンターテイメント)だとは限りません。また,エンタメは子どもに人気があり,わたしも好きで読んでいます。

以下,先生とわたしの講義中の会話。受講者全員が聞いています。
先生:「それはエンタメ系ですね。グレードは…。」
わたし:「中級ですね。」
先生:「作者と作品の紹介をしてください。」
わたし:「みおちづるさんの『少女海賊ユーリ』シリーズの1冊です。今のところ9巻まで出版されています。(…以下,作品の概要。)」
先生:「最近は文庫書き下ろしのシリーズが多く出版されています。これもその1つですね。出版社は?」
わたし:「フォア文庫ですが,これは童心社ですね。」
※でも,エンタメかな,ユーリって…。中身はけっこう重いし,かなり子どもに訴えるものがあると思うんだけど。登場人物の成長もしっかりあるしなあと,その時思っていました。

さて,この会話をいったい受講者の何人が理解していたでしょうか。(爆)
エンタメ,グレード,フォア文庫で童心社(これは自分の発言だけど)ときたら,かなりマニアックな世界…。
フォア文庫は4つの出版社から出されている,ちょっと変わった文庫なのです。同じフォア文庫でも,『シェーラひめのぼうけん』『少女海賊ユーリ』は童心社,『妖界ナビ・ルナ』は岩崎書店なのです。
すみません,他の受講者の皆様。わたしは,すっかり学生気分に戻っておりました…(汗)。

こうなってしまうと,もう止まらない!
思いっきり暴走しまくりのろいぞうちゃんになってしまいました。
さすがに,他の受講者の邪魔をしてはいけませんので,講義終了後に質問攻撃をしました。
もちろん,先生も「今日の講義に関係なくてもいいので,質問があればどうぞ」と仰いましたので,気兼ねなく(笑)させていただきましたとも!

その1:軽装版について
『日本児童文学』でも特集を組んでいたこの軽装版について,作家のなかでもそうとう意見が分かれて揺れているようですが,どのようにお考えでしょうか。出版社の商業主義にかなり流されているのでしょうか。

その2:荻原規子の作品について
講義中でも,日本のファンタジー作家として上橋菜穂子,荻原規子をかなり高く評価していらっしゃいましたが,特に荻原作品はどの点を評価していらっしゃるのでしょうか。

その3:あさのあつこの作品について
北上次郎の書評であっという間に広がった『バッテリー』ですが,どうにもこの主人公には共感できないし,寄り添えませんでした。また,終わり方もどうもすっきりしなかったので,わたしはなぜ評価が高いのかわからないのですが,どのようにお考えですか。

回答について,及び,タイトルの「13年越しの宿題」については続きをどうぞ。
13年越しの宿題の続きを読む
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祖母のこと
2006-08-03 Thu 20:32
7月23日に父方の祖母が亡くなりました。
昨年の今頃も肺炎を起こし,危険な状態だったのですが,持ち直したので,今年も大丈夫かもしれないと思っていたのですが…。

祖母は,正確に言うとわたしから見て大叔母にあたります。
父の育ての母なのです。
でも,わたしにとっては,父が生まれてまもなく亡くなった,まったく接したことのない本当の祖母よりも,ずっと身近なおばあちゃんです。
91歳でしたが,葬儀では92歳となっていました。
数えで表すのだそうです。

自分のことは自分でというスタンスだった祖母は,80歳を過ぎるまでずっとひとり暮らしでした。

でも,足が弱くなり,数年前に同居することになりました。しばらく一緒に生活していたのですが,痴呆が進み,介護がかなり必要な状況であったため,結局施設の方へ入りました。

息子の嫁である母は「誰だかわからないけど親切な人」,息子である父は「親切な人の旦那さん」と言った祖母。
孫であるわたしたちのことは,誰だかまったくわからないようでした。
でも,猫は昔から大好きだったので,施設の部屋にはヒカルくんの写真を飾っておきました。
ヒカルを直接見たことがなかった祖母にとっては,かつて飼っていたクーというメス猫に見えていたかもしれません。

ところで,今朝方,祖母の夢を見ました。
演歌を歌っていました。
生前,祖母が歌っている姿なんて見たことはなかったのですが…。
でも,演歌は好きで,よく懐かしのにっぽんの歌というような番組を見ていました。
それが結びついたのかもしれません。
本当は歌いたかったのかな。

葬儀の場で,田舎からやってきた親戚がみんな「長いことご苦労さまでしたね。よくがんばったね。いい顔しているよ。」と声を掛けていました。
本当に,最後に病院で見た時より,ずっと穏やかな表情をしていたのです。
震災,戦争,戦後とさまざまな苦難を乗り越えて生き抜いた祖母。
ようやくゆっくりと休める時がきたのだと思います。

今,猫のヒカルが毎日祖母のお骨のある部屋に行っています。
猫好きだった人のことはわかるのかもしれません。

天国でも大好きだった飼い猫と一緒にのんびりと過ごしていることでしょう。
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| ROY草子 |
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