ROY草子 2006年07月20日
日々思ったことを書き記したり,本の紹介などをしたりしています。
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『福音の少年』 あさのあつこ
2006-07-20 Thu 19:27
昨日,「ちょっとだけ読もうかな」と思ってめくったら,つい最後まで読み切ってしまいました…。
でも,ラストで拍子抜け。というか,不完全燃焼というか…。
これは,『バッテリー』のラストでも感じました。
あさのあつこさんは,わりと物語の結末をはっきりさせないのかな。
登場人物達の物語はまだ続いているのだと言わんばかりの終わらせ方だと思いました。というより,読者に問いかけているのかな…。

「一番書きたかった物語」と銘打っているこの本ですが,あさのさんのお話をいろいろ読むと,確かにそうなのかもしれないと思います。
明帆と陽も『バッテリー』の少年達と共通するものがあると思うのです。さらに,『NO,6』のネズミや紫苑にも。
では,この少年達はいったい何なのか。そう問われると,言葉にするのは非常に難しいです,正直なところ。
何かに飢えていて,渇ききった自分を何とかしたいのに,どうしたらよいのかわからない。表面上は冷めて見えても,実は熱い自分を持て余している。この熱をどこへ持っていったらよいのか。孤高でありたいと思いながらも,ひとりではいられない。誇り高く,孤高であることと,人を求めることとは共存し得るものなのか。
この答えは,正直わかりません。
あさのさん自身,見えずにいるのではないかという気もするのです。
藻掻き,足掻き,悩み,それでも生きている少年達。ただ,ひたすらその姿を描こうとだけしているのではないのか…。
そんな気がしました。

タイトルの「福音」が何を意味するのか…。
これも難しい。
明帆と陽にとって,互いの存在が福音たり得るということなのかな。
でも,あのラストを考えると…明帆にとって陽が「福音の少年」になるのかな。それとも,あの状態になった明帆が「福音の少年」なのか?一応,明帆だけが事件の真相を知ることができたのだから。でも,彼が命を取り留めて初めて福音と呼べるのではないかとも思います。
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