ROY草子 2006年05月05日
日々思ったことを書き記したり,本の紹介などをしたりしています。
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荻原規子作品について
2006-05-05 Fri 19:00
荻原規子の勾玉三部作はわたしにとってとても大切な作品です。
それは今でも変わりません。
ネットに繋げる環境になり,初めて訪れたサイトも荻原作品を扱っているところでした。
そこで知り合って今なお繋がりのある方もたくさんいらっしゃいます。
自分のサイトを開設してしばらくの間は,そういったサイトとのリンクもたくさんありました。(現在はかなり減っています。閉鎖されたサイトが多いというのが主な理由です。)
好きになった作家の作品はとことん追いかけるわたしなので,彼女の作品はほぼ全部読んでいると思います。アンソロジーで掲載されている作品も読んでいます。
でも,このサイトで紹介しているのは「勾玉三部作」(風神秘抄を入れると四部作?)と『樹上のゆりかご』だけ。あとは,レポートで『これは王国のかぎ』を扱っているくらいです。
それには,理由があります。
彼女の「読む女の子たち」というエッセイを読んでしまったから。
そのため『西の善き魔女』は紹介する気になれなかったのです。

今回,この話題を持ち出してきたのは,荻原規子『風神秘抄』が日本児童文学者協会賞と産経児童出版文化賞JR賞を受賞したことがわかったからです。(本人のブログに記載されています。)
産経児童出版文化賞JR賞受賞のことが先に書かれていたのは,彼女にとって,日本児童文学者協会からの賞にはあまり意味がないということの表れかな…なんて穿った見方をしてみた…。
それ以前に,『空色勾玉』が日本児童文学者協会新人賞を受賞して以降,彼女はこういった賞をとるということ自体に意味を見いださないのではないかと思うのです。

新人賞受賞の際の受賞の言葉「夢の免罪符」には,賞をとったことで,自分が別の職を持ちながらも執筆を続けていくこと(彼女にとっては,「夢を見続けること」)に免罪符をもらえたというニュアンスの言葉が見られます。この時点では,受賞はその後の彼女の執筆活動に大きな影響を与えていたのです。

けれど,それから6年後,彼女は「読む女の子たち」というエッセイを『日本児童文学』(日本児童文学者協会の雑誌だと思ってよいと思います。1995年 6月号)に寄せています。そこで彼女は,自分が読者として想定しているのはかつての自分がそうであった「読む女の子」であり,そういう女の子達が発しているシグナルを(つまりは,自分自身が発しているシグナルを)理解できないであろう人に作品を評価されても「あ,そう」くらいにしか感じない,望外に褒めてもらってラッキーと思うくらいでしかないと述べているのです。

この文章は彼女自身のサイトにもUPされていたし,さらにそのエッセイについてのコメントもついていました。
『日本児童文学』で児童文学を論じていたり創作したりしている人たちが,読み手のことを意識していないように思って書いたものだという内容でした。

『日本児童文学』という雑誌は,確かに「読む女の子たち」は目にしないでしょう。読んだり批評を書いたりするのは,児童文学という分野で仕事をしている人たちでしょう。
でも,あの作品が児童文学として出版されたのなら,そこからの批評があって当たり前だと思うのです。
そこで評価されたことは,「あっそう」として受け止めるようなものではないのではないだろうか…。

また,わたしが読者として非常にひっかかったのは,読み手を「読む女の子たち」に限定してしまっていること。この作品をわたしが読んだのはすでに「読む女の子」の年齢を過ぎていました。また,わたしよりもこの作品を気に入ったのは,母の方でした。
おそらく,わたしたちは彼女の発するシグナルをそれなりに受け取ったのでしょう。
そういう意味ではわたしたちは彼女の言うところの「読む女の子」であったのかもしれない。
けれど,あのエッセイの書きようでは,わたしたちがどんなにあの作品に心を揺さぶられようと,彼女にはどうでもいいことであり,望外のことでしかなかったのかと思われても仕方がないのではないでしょうか。
とてもガッカリしたことを,今でも覚えていますし,彼女のサイトが開設された直後に,そのことをご本人にメールで伝えもしました。
(もしかしたら,エッセイにつけたコメントは,あのエッセイを読んでわたしのように感じた読者が少なからずいたからなのかもしれません。)
このエッセイを読んだのは,サイトを立ち上げ,荻原作品のレポートをUPしてから数ヶ月後だったと思います。彼女の作品に対する批評文は,大学生の間にかなり読んでいたのですが,「読む女の子たち」は卒業後だったため,読み落としていました。
このエッセイについては今でもひっかかりを感じているし,まさに「読む女の子」のためだけに書いたとしか思えない『西の善き魔女』の紹介はこの先もする気はないのです。

あのエッセイから10年。今の彼女は今回の受賞をどう受け止めているのでしょう。最初にも書きましたが,やはり「あっ,そう」くらいなのではないかなと思うのです。
『風神秘抄』もやはり彼女と同じ「読む女の子」のためのものであると思うから。
このようなスタンスの作家の作品に賞を与える日本児童文学者協会は,作品そのものを客観的に評価しており,懐が大きいようにも思います。
ただ,今回の受賞も評価は大きく分かれたのではないかな…そんな気がしています。とりあえず,選考過程や評の掲載される『日本児童文学』を読んでみなくては。

それでも,彼女の作品はやはり読み出すとその世界に引きずり込まれていく魅力があるのは事実です。
このサイトだって,もともと勾玉三部作のレポートをUPしたかったから作ったという部分もあるくらいなのです。
でも,荻原サイトは当時いくつかあり,内容も充実しているから,自分で荻原サイトを作る必要性がないと思ったのです。
だから,荻原作品限定ではなく,好きな児童文学をたくさん紹介するサイトにしました。これは間違っていなかったと確信を持って言えます。
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姐さんといっしょ
2006-05-05 Fri 16:10
先ほど更新してきました~。
といっても,たいした内容じゃありませんが。

しょーもないページを作ったなあと思っていたら,思いがけずファンだとおっしゃっていただけたので,すっかり気をよくしているろいぞうでした(笑)。
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| ROY草子 |
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